第13課 カード時代
一、「…かわりに」
1、「体言のかわりに」 (代替)
ほかのものや人の代理として、という意味を表す。
w 私の代わりに山田さんが会議に出る予定です。
w 今はゴムの代わりにプラスチックがたくさん使われている。
w ママは熱があるので、今日はパパが代わりに迎えに行ってあげる。
2、「活用語連体形+かわりに」
(「AかわりにB」の形で)
①“AしないでBする”の意味で、Aを否定してBを成立させることを表す。 (不………而… …。)
w 雨が降ったのでテニスの練習をする代わりに、うちでテレビを見て過ごしました。
w 今度は船に乗る代わりに、汽車で行こう。
w 手紙を出しに行くのに、自分で行く代わりに、弟を行かせた。
②“Aする代償にBする”“Aするが、しかし同時にBする”の意味で、性質の大きく異なる——時には正反対の——ABを両方成立させながら対比的に示す。
(虽然……但是……。 …… 的同时…… 。)
w 今度転勤してきたこの町は静かで落ち着いている代わりに交通の便がやや悪い。
(好ましいことの反面、そうでないこともある)
w この辺は買い物などに便利な代わりに、ちょっとうるさい。
w ジムさんに英語を教えてもらう代わりに、彼に日本語を教えてあげることにした。
w 私の部屋は南向きで、夏は暑い代わりに、冬はとても暖かい。
【練習】
(一)「かわりに」で、次の文を繋ぎなさい。(1)このかばんは値段が少し高い/持ちがいい。
(2)失敗もしません/大きな成功もありません。
(3)水を飲みます/ビールを飲みます。
(4)手紙を書きます/電話をかける人が多い。
(5)木村さんはタバコを止めた/お酒の量が2倍になった。
(6)今日は私が夕食を作る/あなたがお皿を洗ってください。
(二)「むしろ」「というよりは」「かわりに」 「そのかわりに」の中から適当なものを 選んで( )に入れなさい。
(1)新しくてきれいなので、病院の待合室( )ホテル
のロビーだ。
(2)そんなに遅れて行くなら、( )欠席のほうがいい。
(3)今後危険な仕事は人間の( )ロボットがするよう
になるだろう。
(4)仲間と一緒でいろいろ揉め事を起こすぐらいなら、
( )一人旅をするよ。
(5)今日はお蕎麦で我慢してね。( )土曜日に何かお
いしい物を作りましょう。
(6)色も形も華やかで、文房具売り場( )おもちゃ売
り場だ。
答え:
(1)新しくてきれいなので、病院の待合室(というより)
ホテルのロビーだ。
(2)そんなに遅れて行くなら、(むしろ)欠席のほうがい
い。
(3)今後危険な仕事は人間の(代わり)ロボットがするよ
うになるだろう。
(4)仲間と一緒でいろいろ揉め事を起こすぐらいなら、
(むしろ)一人旅をするよ。
(5)今日はお蕎麦で我慢してね。(その代わりに)土曜
日に何かおいしい物を作りましょう。
(6)色も形も華やかで、文房具売り場(というより)おも
ちゃ売り場だ。
二、「むだ」接頭語
1、「むだ」 名・形動
そうしても役に立たないという意味。
◆あの人はすぐ忘れるから、教えてもむだだ。
◆お金をむだに使ってはいけない。
2、「無駄+名詞」
【意味】そのことは無駄である。
【用例】
◆無駄話/つまらないおしゃべり。
◆無駄使い/役立たないことに使うこと。
◆無駄書き/役に立たない字や絵をかくこと。 ◆無駄足/わざわざ行っても、何の役にも立たないこと。
★先生はお留守だったので、無駄足になった。
◆無駄金/使っただけの効果のない金。
★これまでにつぎこんだお金は全くの無駄金だ。◆無駄口/=無駄話
★無駄口をたたいていないで、しっかりと仕事しなさい。 ◆無駄ごと/=無駄口
◆無駄骨/ 無駄に骨を折る。(白费力,徒劳)
★今度こそ成功すると思ったのに、また無駄骨になっっ
てしまった。
【練習】次の文の下線部を「無駄」を持っている慣用句で言い換えなさい。
(1)両国の開戦を止めようという努力も、徒
労に終わった。
(2)これからはお金を浪費することをやめて、
もっと倹約しようと思う。
(3)つまらないおしゃべりをしないで、仕事をしろよ。
(4)行っても役に立たないかもしれないが、行ってみようか。
(1)両国の開戦を止めようという努力も、無駄骨に終わった。
(2)これからはお金の無駄遣いをやめて、もっと倹約しようと思う。
(3)無駄話をしないで、仕事をしろよ。
(4)無駄足かもしれないが、行ってみようか。
三、「このごろ・近頃・最近」
1、「このごろ」
【意味】
①少し前から今日まで続いていた状態、引き続き行われた
(もしくは行われなかった)状態について言う。
②日を単位としている場合が多い。
【用法】
ア、継続状態(状態性の述語)
◆このごろは毎日寒い日が続く。
◆このごろの若者はどうも言葉使いが悪いです。 イ、反復現象(動作性の述語)
◆このごろしょっちゅう雨が降る。
ウ、打消しによる持続状態
◆このごろあのスーパーは全然安売りをしないね。
★「このごろ」の後は状態性の述語が多く、純然たる動作に ついては言えない。この点が「最近」と異なるところ
(☓) ◆このごろ一度訪ねてきた。〈近い過去に起こった事柄〉 (◯) ◆このごろよく訪ねてくる。〈反復作用〉
2、「近頃」
【意味】
①「このごろ」同様、継続状態にも状態変化にも用いられる。
②年や月を単位とする。「このごろ」より時間単位のスケー ルが大きい。
【用例】
◆近頃はやりのロングスカート。
◆お父さんは近頃急にふけてきた。
◆つい近頃僕は駅で5年ぶりに中村先生に会った。
(状態性でない述語の例も稀に見られる)3、「最近」
【意味】
①さらに時間単位のスケールが大きい。
②過去の一時点の出来事にも使える。
【用例】
◆最近10年間の調査によれば、青少年の身長は著しく
伸びているようだ。
◆つい最近彼に会った。このごろ・近頃・最近
このごろ
①少し前から今日まで続いていた状態。
②日を単位としている場合が多い。
近頃
①継続状態にも
状態変化にも用いられる。
②年や月を単位とする。「このごろ」より時間単位のスケールが大きい。
このごろ・近頃・最近
このごろ
今 ××××××××××
最近
×××××××
近頃
【練習】以上の三つから正しいものを選んで、 ( )に入れなさい。
(1)彼は日本に来たのは( )のことです。
(2)お父さんは( )急に老けてきた。
(3)松茸は( )さっぱり見かけない。
(4)( )の調査によると、日本人の身長は次第に伸びている。
(5)( )の若者はあまり着物を着ません。
(6)長い地球の歴史から見れば、人類が誕生したのは
つい( )のことだ。
(7)彼は( )上京した。
答え:
(1)彼は日本に来たのは(最近)のことです。
(2)お父さんは(近頃)急に老けてきた。
(3)松茸は(このごろ)さっぱり見かけない。
(4)(最近)の調査によると、日本人の身長は次第に
伸びている。
(5)(このごろ)の若者はあまり着物を着ません。
(6)長い地球の歴史から見れば、人類が誕生したのは
つい(最近)のことだ。
(7)彼は(最近)上京した。
四、「えらい」形容詞
【意味】
1、すぐれている。立派だ。偉大だ。
◆あの人は偉い功績を残した。
2、地位や身分が高いこと。
◆会社で一番偉いのは社長だ。
3、ひどい。重大だ。とんでもない。
◆傘を持っていなかったので、えらい目にあった。
4、程度が甚だしい。
(くだけた会話で用いる)
◆今日は学校で先生にえらくほめられた。
【練習】次の「えらい」はどの用法か、考えてみなさい。
①すぐれている。立派だ。 ②地位や身分が高いこと。
③とんでもない。 ④程度が甚だしい。 (1)着いてみたら故郷はえらい雪だった。
(2)「お前一人でやったとは、偉い、偉い。」
(3)今サボっていると、試験前になって、えらいぞ。
(4)えらい天気になったもんだ。
(5)今日はまたえらく寒い日だ。
(6)えらいことをしてくれたな。
(7)あの人は会社では偉いかも知れないが、人間としてはだめだ。
正解:
(1)着いてみたら故郷はえらい雪だった。 ④
(2)「お前一人でやったとは、偉い、偉い。」①
(3)今サボっていると、試験前になって、えらいぞ。③
(4)えらい天気になったもんだ。 ③
(5)今日はまたえらく寒い日だ。 ④
(6)えらいことをしてくれたな。 ③
(7)あの人は会社では偉いかも知れないが、人間としてはだめだ。 ②
五、「はず」
【接続】「体言の/用活用語連体形+はずだ」
【意味と用例】
①〈推測〉客観的な理由があって、推量にかなり確信があ る時に使う。その理由から考えて、当然のことだと推量 する時の言い方。
◆あれから4年経ったのだから、今年はあの子も卒業の はずです。
◆運動会の写真は山中君に頼みましょう。写真学校の学 生ですから、上手なはずです。 ◆星がいっぱい出ているから、明日はよい天気になるは ずだ。
◆リーさんは3時に家を出たそうですから、ここには4時 に着くはずです。
〔予定を表す時にも使う〕
②〈納得〉話し手が不審に思っていたことや十分に納得できないでいたことをうまく説明できる事実を見つけて納得する気持ちを表す。
◆A:わあ、おいしいワインですね。
B:おいしいはずですよ。高いワインなんですから。
◆さっきから道がすいていると思っていたが、すいてい るはずだ。今日は日曜日だ。
★「わけ」と言い換えても意味は変わらない。
a道理で寒いはずだ。外は雪が降っているもの。
b道理で寒いわけだ。外は雪が降っているもの。
③〈現実と違う場合〉「原則、道理、記憶などの根拠をもとに推論するとこうなって当然なのだが、現実はそうではない」という意味を表す。話し手の後悔、不審などの気持ちを表す。
◆おかしなことに、閉めたはずの金庫のかぎが開いていた。
◆ちゃんとかばんに入れたはずなのに、家に帰ってみると 財布がない。
◆彼の成績はもっといいはずだ。
a事実が未知の場合は①〈推測〉の用法である。
b事実が基地の場合は③の用法で、不審・不可解の気持 ちがある。
④「…はずだった」〈実現しなっかた予定〉推論通りに事運ばなかった意味を表す話し手の意外感や失望、後悔などの気持ちを伴う。
◆部長は会議に出るはずだったが、急用で出張した。
◆天気予報では降らないはずだったのに、雨が降ってきた。
【練習】「はず」か「べき」を( )の中に入れなさい。
(1)人は約束したら、守る( )です。
(2)あの人はまじめな人だから、約束は守る( )です。
(3)本はわたしがそこに置いたから、そこにある( )です。
(4)面白いパーティーらしいから、あなたも行く( )ですよ。
彼も行くと言っていたから行く( )ですよ。
(5)会議は1時に始まる( )ですが、まだ誰も来ません。
時間は守る( )ですね。
正解:
(1)人は約束したら、守る(べき)です。
(2)あの人はまじめな人だから、約束は守る(はず)です。
(3)本はわたしがそこに置いたから、そこにある(はず)です。
(4)面白いパーティーらしいから、あなたも行く(べき)ですよ。
彼も行くと言っていたから行く(はず)ですよ。
(5)会議は1時に始まる(はず)ですが、まだ誰も来ません。
時間は守る(べき)ですね。
六、「…にしてみれば」
【意味】人を表す名詞に付いて、「その人にとっては」「…の立場に立って考えれば」という意味を表す。その人が他の人と比べて違う見方を持っているということを言いたい時に使う。
【用例】
◆長い間使っていなかった古いコンピューターをあげたの だが、彼女にしてみればとてもありがたかったらしく、 何度も何度もお礼を言われた。
◆われらの村はちっぽけだけど、村民にしてみれば楽しい 楽園です。
◆母にしてみれば、大切に育ててきた息子が突然家を出て
いったのだから、たいそうショックだろうが、私は親離
れしようとしている弟に声援を送りたい気持ちだった。
七、「…てはいられない」
【意味】「ている」の可能形「ていられる」を否定にした形。
切迫した状況なので、そのようなことを続けるのはいけない、或いは、急いで行動に移りたいという意味を表す。「~していることはできない」「~していることは許されない」の意。
「のんびり」「うかうか」「じっと」などの副詞 を伴うことが多い。
【用例】
◆時間がないから、遅れてくる人を待ってはいられない。
◆明日試験だから、のんびり遊んではいられない。
◆こんなに忙しい時に寝てはいられない。 ※「いてもたってもいられない」(慣用句)/坐立不安
【練習】中文日訳
(1)因为是孩子,呆不住是很自然的。
(2)对于不遵守纪律的行为不能保持沉默。
(3)不能以为事情解决了而高兴。
(4)这么热的话,穿不住衬衫。
訳文:
(1)子供だから、じっとしていられないのは当たり前だ。
(2)紀律を守らない行為に対して、黙ってはいられない。
(3)これで事件が解決したと喜んではいられない。
(4)こう暑くちゃ、シャツなんて着ちゃいられない。
八、「かといって」
【意味】作用同于接续词,下接否定的后续文,表示仅以前文
为理由的话,后续情况不能成立。是以转折的语气对
前文进行补充。
【用例】
◆自分のことを考えるべきだ。かといって自分のことばか り考えるのもいけない。
◆あのホテルはあまり高級ではない。そうかといって安く もない。
【練習】「かといって」で、次の文を繋ぎなさい。
(1)手紙がしばらく来なかった/病気だとは限らない。
(2)いいアルバイトが見つかった/授業を休んで働くわけにはいかない。
(3)彼は自分のことを登山家と言って自慢している/そんなに経験があるわけではないようだ。 (4)背は高くない/低くもない。
(5)彼はあまり遊ばない/勉強もしない。
新编日语笔记第三册 第13課 カード時代