第19課 テレビの功罪
一、「ここ…来」
【用法】「ここ+時間名詞+来」
【意味】「ここ」――「この・最近の」
「来」――「以来」
「時間名詞」―― 一ヶ月以上といった
割に長い時間
(此句型表示“在最近一段时间以来”的意思。书面语。作状语时,谓语多为持续性的。)
【例文について】
①連用修飾
②連体修飾
【練習】次の文を「ここ…来」で、完 成しなさい。
①(二、三ヶ月)ずっと会議が続いて、疲れきっている。
②(数年)車を持っている人が増え続けている。
③都市部では、電話が普及するようになっ たのは、(四、五年)のことです。
④(数ヶ月)米ドルが値上がりするばかりです。
⑤生活が豊かになったのは、(二、三年)のことです。
二、「…一方だ」
【意味】ある方向(多くはマイナス評価の方向)に
だけ変化が進んでいることを表わす。
【用法】「動詞連体形+一方だ」
変化を表わす動詞と接続する。
【用例】
▲家賃の高さ、物価の上昇、公害など、東京は住み にくくなる一方です。
▲このままでは月々の電話代が増える一方だと思い、 手紙を書くことにした。
【練習】「一方だ」で、次の文を
完成しなさい。
(1)2週間前に入院した母の病状は悪くなります。
(2)最近、円は値下がりします。
(3)このごろ食欲がなくて、体重が減ります 。
(4)ここ数年来、国民の政冶への関心は高まります。
(5)年をとると、体が弱くなります。
(6)英語も数学も学校を出てからは、忘れていきます。
三、「一概に…ない」
【意味】打ち消しの語を伴って、「一口に、ひっくる めて」という意味を表わす。
【用法】後ろに「できない」「言えない」など可能性 を否定する表現を伴って、「単純に/他のこ とを考慮しないで/自分の都合で…すること はできない」の意味を表わす。他の条件・状 況を考える必要があることを表わす。
【用例】
▲有機野菜が安全だと一概には言えない。
▲外国人労働者はどんどん受け入れればいいとは 一概に主張できない。
▲値段の高い品物が一概にいい品とは限らない。
四、「…ことだろう」
【意味】「いま・ここ」では、分からないことについ て、感動移入しながら、推測する時に使う。 推測を詠嘆的に表現する。改まった書き言葉。
【接続】 ①「名+のことだろう」
②「活用語連体形+ことだろう」
【用法】「きっと」「さぞ」や「どんなに」「どれほ ど」などの疑問詞と呼応することが多い。
【用例】
▲険しい山の中だから、工事は難しかったことでしょうね。
▲長いご旅行で、さぞお疲れのことでしょう。
▲息子の戦死を知ったら、両親はどんなに悲しむことでしょう。
【練習】「さぞ・きっと・どんなに・どれほど」から、適当なものを選んで、( )に入れなさい。
(1)市内でこんなに降っているのだから、山のほう
では( )ひどい雪になっていることだろう。
(2)長い間会っていないが、山田さんの子供さんも
( )大きくなったことだろう。
(3)その戦争で( )多くの人が死んだことだろう。
(4)子供を交通事故でなくした親たちは( )悲しんでいることだろう。
(5)父が生きていたら、( )喜んでくれたことだろう。
(6)息子さん、大学合格とのこと。( )お喜びのことでございましょう。〈手紙〉
【解答】
(1)市内でこんなに降っているのだから、山のほう
では(きっと)ひどい雪になっていることだろう。
(2)長い間会っていないが、山田さんの子供さんも
(さぞ)大きくなったことだろう。
(3)その戦争で(どれほど)多くの人が死んだことだろう。
(4)子供を交通事故でなくした親たちは(どんなに)悲しんでいることだろう。
(5)父が生きていたら、(どんなに)喜んでくれたことだろう。
(6)息子さん、大学合格とのこと。(さぞ)お喜びのことでございましょう。〈手紙〉
五、「いながらにして」
【意味】慣用句。「その場を動かないで」という意味を表わす。
【用例】
▲インターネットが発達して、いながら買い物ができるようになった。
▲テレビのスイッチをひねれば、いながらにして外国の情景が見られる便利な世の 中になった。
▲いながらにして蕎麦屋でも寿司屋でも電話で出前を注文することができる。
六、「…かれ…かれ」
【意味】 「どちらの場合であっても」の意味。
【用法】 対立的意味の形容詞が用いられる。
【用例】
①良かれ悪しかれ/ 「よくても悪くても。よかろうと悪かろうと」という意味。
②遅かれ早かれ/ 「遅い早いの違いはあるが、いずれそのうちに。いつかは必ず。」の意味。
③多かれ少なかれ/ 「多い少ないの違いはあっても、どっちにしても。多くても少なくても」という意味。
【練習】①②③から正しいものを選んで、次の( )に入れなさい。
(1)人は( )悩みを持っているものだ。
(2)( )いつかはテストを受けなくてはならない。
(3)どんなに幸せな人でも( )苦しみはある。
(4)( )この仕事は最後まで仕上げなければならない。
(5)それは( )みんなに知られることだ。
(6)どんな社会にも、( )問題があるものです。
【正解】
(1)人は(多かれ少なかれ)悩みを持っているものだ。
(2)(遅かれ早かれ)いつかはテストを受けなくてはならない。
(3)どんなに幸せな人でも(多かれ少なかれ)苦しみはある。
(4)(よかれ悪しかれ)この仕事は最後まで仕上げなければならない。
(5)それは(遅かれ早かれ)みんなに知られることだ。
(6)どんな社会にも、(多かれ少なかれ)問題があるものです。
七、「だけ」
1、限定を表わす
●その話を聞いて泣いたのは私だけではない。
●あの人だけが私を理解してくれる。
2、程度を表わす
❶「動(可能)連体形+だけ+動」
「がんばる」「持つ」などの動詞を繰り返して、「できる限りする」という意味を表わす。
▲待てるだけ待ったが、彼は待ち合わせの場所に
現れなかった。
▲そこのりんご、持てるだけ持っていっていいよ。
▲がんばれるだけがんばってみます。
❷ 「用言連体形+だけ+用言」
「極限まで事が進む、事を進ませる」の意味。
▲明日はできるだけ早く来てください。
▲ほしいだけ持っていきなさい。
▲ここにあるお菓子をどうぞ好きなだけお取 りください。
▲遠慮しないで食べたいだけ食べなさい。
▲ここが気に入ったのなら、いたいだけいて いいですよ。
❸ 「用言連体形+だけの名詞」
「するのに十分な」の意味。「生活力、金、勇気、語学力、根性、やさしさ」などの名詞に付いて程度を表わす。
▲妻に本当を打ち明けるだけの勇気もなかった。
▲分かっているだけのことはもう全部話しました。
▲その日彼の財布にはコーヒーをいっぱい飲むだけのお金もなかった。
❹「これだけ」「それだけ」
「あれだけ」「どれだけ」
後ろには「~のだから」「~ば」「~のに」「~ても」などを伴って、 「こんなにたくさん、この程度まで」の意味を表わす。
▲これだけ努力したんだから、いつかは報われるだろう。
▲よくがんばったね。それだけがんばれば、誰にも文句 は言われないよ。
▲あれだけ頼んでおいたのに、彼はやってくれなかった。
▲どれだけ言えば、あの人に分かってもらえるのだろうか。
【練習】次の文を中国語に訳しなさい。
(1)大学の入試に合格するだけの 実力をつけるのは難しい。
(2)彼は銀行から金を借りられるだけ借りて家を買った。
(3)彼は泣きたいだけ泣いて気が済んだ。
(4)わざわざ調べに行くだけの甲斐があった。
(5)あれだけ練習してもうまくならないのは、彼に才能がないのだろう。
(6)仕事に疲れて、散歩に行くだけの元気もない。
八、「いける・いけない」
【意味と例文】
1、いける
①「することができる。うまくできる」という意味
▲彼は音楽もスポーツもいける。
②「相当の量の酒が飲める」という意味。
▲彼はなかなかいける口だ。
③「かなりのものである」「うまい」という意味。
▲この饅頭は、なかなかいけるじゃないか。
2、いけない
【意味と例文】「いける」の打ち消し。
①「悪い」の遠回しな言い方。
=「悪い・だめだ・よくない」
▲この企画のどこがいけないだろうか。
② (体質的に) 酒が飲めない。
▲いけない口。
★仮名書きが普通である。
【練習】次の下線部を「いける」か「いけない」で言い換えなさい。
(1)「もう三年も病気で寝たままですね。」
「それは困りますね。」
(2) あの人のどこがだめなんですか。
(3) あの子はいたずらばかりして悪い子です。
(4) 歌だけでなく、踊りもうまくできる。
(5) 君にあらかじめ言っておかなかったのは私が悪かっ
た。
(6) 君の言い方が悪かったので、あの人を怒らせたの
だろう。
(7) 不景気なので、ついに店もだめになったそうだ。
(8) ビールなら少しは飲めます。
九、「っぱなし」
【接続】 「動詞連用形+っぱなし」=名詞
【意味】
当然するべきことをしないで、「そのままにしておく」という意味。なすべき始末を怠って、そのままの状態にしてあること。
「~たまま」とは違って、マイナス評価の意味が含まれることが多い。
【比較】
A ラジオをつけたまま寝ている。
B ラジオをつけっぱなしで寝ている。
【例文】
▲道具が出しっぱなしだよ。使ったら、片付 けなさい。
▲電気をつけっぱなしで行ってしまった。
▲あの人はこんな所にかばんを置きっぱなしにして、どこへ行ってしまったんだろう。
▲「寒いですね。」
「窓が開けっぱなしになっているからでしょう。」
【練習】 次の傍線の所に「っぱなし」のある
言葉を入れなさい。
①靴は にしないで、きちんとそろえ
ておきなさい。
②あ、ガスの火が だ。危ないなあ。
③床を で会社へ行ってしまった。
④図書館の本を借り にしている人が何人かいるようです。
⑤うちの子ときたら、食べたら 、服は脱いだら 、家の中がちっとも片付かない。
⑥手紙を で返事を出さない。
【解答】
①靴は脱ぎっぱなしにしないで、きちんとそろえ ておきなさい。
②あ、ガスの火がつけっぱなしだ。危ないなあ。
③床を敷きっぱなしで会社へ行ってしまった。
④図書館の本を借りっぱなしにしている人が何人かいるようです。
⑤うちの子ときたら、食べたら食べっぱなし、
服は脱いだら脱ぎっぱなし、家の中がちっとも片付かない。
⑥手紙を受け取りっぱなしで返事を出さない。
十、「ことだ」
【意味】その状況でもっとも望ましいこと、もっとも良いことを述べて、間接的に忠告や命令の機能を果たすのに使われる。話し言葉。
【用法】「動詞連体形+ことだ」
【例文】
▲失敗を恐れずに、とにかくやってみることだ。
▲あなたは病人なんだから、お酒は行けません。誘われても飲まないことです。
★ 話し手自身の個別的な意見・意向を出すのに使われる。
【練習】「~ことだ」の言い方で次の文を
完成しなさい。
(1)カルシウムが足りなければ、毎日 。
【解答】
(1)カルシウムが足りなければ、毎日牛乳を飲むことだ。
(2)胃の調子が悪い時は、辛いものや油っこい物を 。
【解答】
(2)胃の調子が悪い時は、辛いものや油っこい物を食べないことです 。
(3)上級の読解力をつけたいのなら、毎日 。
【解答】
(3)上級の読解力をつけたいのなら、毎日新聞を読むことです。
(4)風邪をはやく治したいんだったら、 。
【解答】
(4)風邪をはやく治したいんだったら、暖かくしてゆっくり寝ることだ。